2016年12月29日

■Covered with dust, the doll stood in the corner of the room.

自分の入りたかった部活は人間関係を学ぶ場所に変わって
自分の入りたかった学校は家庭の事情で諦めて
自分の大好きだった異性はとても身勝手で黒くて
自分の聞きたかった音楽はどれも悲しい曲になっていた

生きるって楽しいことだと思っていた
人ってもっと素敵なものだと思ってた
恋ってもっと楽しいものだと思ってた

慣れないお酒に飲まれ吸えない煙草に咳き込み
大人の証だと思ってた道具にはどれも嫌われ
子供だと思っていた友達は人を計算し
好きだった人は思い出すこともなくなってきた

居心地の悪くなってきた部屋の隅を少しだけ片付けて
昔良く読んでいた恋愛漫画を読み直しながら
こんなこと現実じゃあり得ないよねって笑っていたあの日と
こんなこと現実にあるわけがなかったって笑う今この時とは
何もかもが変わってしまったんだという実感に
涙の滴りを耐えながらめがねをそっと外した

見たいもの見たくないもの全部がぼやけていることが
今は救いになっている気がした
このまま夜になったらきっと
泣いても許されるんじゃないかって
今は救いを求めている気がした
posted by nobu at 19:53|

2016年12月28日

■I continued in the direction of the arrow.

誰かを好きでいることに生きる意味と答えを探して
言われるままに付き合って恋人になって好きになっていった
好きになっているつもりだった

恋に恋しているというにはあまりに軽く
付き合っているというにはあまりに重く
恋に身をおくことで自分が正常なんだと言い聞かせるように
君の前では笑って後には大きく手を振っていた

それはきっと一人でいることの寂しさと世間体と
みんなしているからという大まかな行動から逸れないように
世の中の普通から逸れないように居たいだけの
誰よりも普通がわからないのに誰よりも普通でいたいっていう
恋愛というよりは恋愛ごっこという方がとてもしっくりくるくらい
言葉から仕草から挨拶から返事までどこかで聞いた通り行うだけの
もしかしたら嬉しさとか楽しさとか笑っている時とか
もしかしたら悲しさとか苦しさとか泣いている時とか
そんな時でさえいつか見たドラマや映画のシーン通りにしているだけの
君に対してじゃなく自分に対しての迫真の演技なのかもしれないって
自分の感情が高ぶる度に感じて不安でたまらなくなった

君と別れた時の辛い感情さえも
別れは辛いものという学校で習った道徳感のような
あの時も今もよくわかっていない教えに対して
何らかの状況を当てはめているだけのものでしかなくて
適当にピースをはめていたらパズルが完成した時のような
達成感はいまいちでも少しすっきりしたような
よく考えれば迷いも再会も望んでいない別れだったと
そこには妙に納得してしまっているのが寂し方だけだ

学校へ入学してだらだらながら続けたら卒業できた
恋愛もわたしにとってはそんな感じでしかなかった

小学中学高校大学
自分のランクを上げるのと同じで
付き合う相手もランクを上げる
おかなを抱えて笑ってしまうくらい
ものすごくくだらない恋愛ってものに
お腹が痛くなるほど笑った後には
自分でも引いてしまうくらい人を蔑んだ低い声で
仕事と割り切った正論を吐くセールスの電話を断った
posted by nobu at 16:33|

2016年12月26日

■Befour episode.

みんなと同じ会話で笑って
同じ愚痴に共感して
同じものを買って食べて
同じ時間を共有したつまらない時間

あの子達と帰った後のわたしはいつも
少量の安堵と多量の不安で練った
表情のない紙人形のような軽くて薄い顔をしていた

過ごしている一日一日が消したい過去になっていく
自分の人生を汚すように恥じるように今日があって
昨日会った人たちは何のためらいもなく生きていて
どうしてわたしは苦しいのか辛いのかと
そんなことを考えながらいつも見てしまうのは
ハッピーエンドじゃなくてバッドエンドのドラマで
幸せの理想の形は結婚するとか子供ができるとか家を建てるとか
みんなが一度は思い描くのと同じでいたいのに
ゲームの影響で犯罪を起こしたなんていう
頭でっかちで古い知識だけを信じる評論家のような
とてもつまらない表現な気がした

あの子の好きな人は誰もが羨み嫉妬する相手だというのに
わたしには理解できないその人の魅力を嬉しそうに語るその子の相手は
理性と知性を履き違えた欲望と本能で生きていて
気まぐれで優しくするだけのくだらない人間だというのに
とても楽しそうに生きているってことは理解できたし
いつかハッピーエンドを迎えるのはこういう人をいうのだろうと
いろんな本や体験談からは疑うべくもなくなっていて
誰もかれもが薄い理想を抱えて叶えて生きているんだと
つまらないのは自分なのだろうという気がした

毎年ほとんど同じようなつぼみをつけて
毎年ほとんど同じような花を咲かせて
それを毎年綺麗だと言っているみんなと
ほとんど違わないそれらの違いを必死に探しているわたしとでは
純粋と偏屈くらいの言葉の差があるのだろうか
人としての差があるのだろうか

考えなければいいのに考えずにはいられない
感じる幸せの違いってやつを楽しさと辛さのちがいってやつを
答えが見つからなくていつまでもそれに近づく気配もない日々を
無意味とか無駄とか言われればそのとおりだとしか言えない日々を
それでも愛おしいと思い今日を過ごしている今を言葉たっぷりに書き残してみても
明日になったらなんてくだらない日を過ごしたんだと後悔して
それでもあの子と同じ相手と理想には理解が遠く及ばないし

わたしの頭の中の頑丈なネジのいくつかを
くだらない人たちに外してもらったら楽になるんじゃないかって
好きでもない相手と付き合ったり奪ったりしてみた残酷な過去だって
あの子にいわせればすごいだとか羨ましいだとか言うんだろうかと
人を蔑む自分に嫌悪してまで生きている今日もまた
それをおかずに苦いお酒を飲んで自分に酔っているちょっと格好良い自分の顔も
明日には軽くて薄い顔に戻っていることは何となくわかっていた
posted by nobu at 22:04|

2016年12月24日

■Lie of the diary.

日記とは本来誰かに見せるものではないというけれど
そんな気持ちで書いている人がはたしているだろうか


何か取り柄があるわけでもなく
優秀でもなく普通でさえない自分
低ランク枠として比較されることはあっても
ライバルだとか尊敬だとか嫉妬だとか
そんな対象にはなるわけもなく
どこにいても何に対しても冷めている自分

寝ることにさえ積極的な欲求はなくって
数字を一から百まで数えるくらいの間では眠れず
千も万も過ぎてしまって気付いたら朝ってことよくあったっけ

みんな同じく母親の腹から産まれ出て泣いて育っていつか泣かなくなるのに
何でぼくはいつまでも泣くことを忘れられない
人の痛みとか心の痛みとか自分の痛みとかそんなの知りたくなかったのに
気持ちを凍らせていないとすぐに溢れ出て拭うのを止められない

そんなことがわかったところで
人より上に立てることも優秀になることもできはしない
得になることって思い浮かばないしできれば捨ててしまいたい
みんなが見ないようにしたり感じないようにしている弱い部分を
それを面と向かって見続けていることに何の価値もなかった
そうすることで自分が何かってことがわかる気がしていたのに

生まれてからたくさんの可能性を見つけ続けて
歳を重ねる度に色々なことを諦めていくのが人生ってやつだとしたら
ぼくはもうとっくに全て諦めてしまっているのだから
これから諦めるって思考さえ持つことができずにいる

だからきっといくらでも無茶ができるしいくらでも馬鹿ができるし
人の道を行くことに対したメリットがないのだから
人の道を外れることだって大したデメリットがあるわけじゃないし
ぼくが感じてきた以上の異常の傷を誰かが受けるとは思えないし
ぼくが受けてきた異常の以上の傷を誰かが感じることはないだろうし
そんな傷は心にしまったままフィクションとしてつぶやいていればいいだけだ


誰にも知られなくていいと思いながらつぶやく毎日の言葉は
例え話や空想の話だとごまかして書いているはけ口は
自分だけというていで書いてほんとは見て読んでほしい日記のように
いつか気付いてほしいと思いながら本心が知られるのは怖いって思う
矛盾した設定や特定の読者に限定した商品販売のように
疑いながら文句をつけながらそれでも興味を持ってしまう何かがあるのだと
そんな姑息な手段と喜びを持ってして癒せない傷を少し手荒くさすっている
posted by nobu at 20:43|

2016年12月15日

■Don't be shy.

もう知っているのだとしても
ほんとは言いたい好きって言葉
もうわかっているのだとしても
ほんとは言って欲しい付き合ってって言葉

頭の中では何度も言えるし
ギリギリセーフな言い回しや
例え話やもしもの話や夢の話
いつも予防線をはってしまう弱いわたし

とっても優しくてずっと頑張っていて
傷つきやすいのに強くって
誰よりも大切にしてくれるのに
本音を隠すズルいあなた

別の人を好きになろうか
別の人と付き合ってみようか
何度かそういうのあっても
嫌われたくないって思う対象はいつも
目の前にいる人でも近くにいる人でもなく
いつもあなただけだった

可愛くないことも人に言えないことも
ちょっと怖くても思い切ってできちゃうのは
どんな失敗しても惨めでも取り返しがつかなくなっても
あなただけはきっと見捨てないでいて居場所を作ってくれるって
心のどこかで思ってしまっている卑怯なわたしがいるからだ
あなたに好きな人がいる可能性だってあるのに
あなたを好きな人がいる可能性だってあるのに
それはきっとないんだって思ってしまっているわたしがいるからだ

これからもしかしたら好きな人ができたり言い寄られたりのぼせたり
生活が充実したり安定したりちょっとした夢がかなったりとか
そういうことがあったとしてもきっと
あなたなしでは生きていけないんじゃないかって思うくらい
もうとっくにわたしの一部になってしまっているあなたを
切り離したいとか忘れたいとか思うのはやめちゃったよ
呼吸したり水を飲んだりと同じくらい普通のことで
そんなありきたりな言葉遊びが本当に当たり前にできるくらい
大切なものって言葉じゃ全然足りないくらい大切なものだから

好きってだけじゃ表現しきれなくてもやもやしてる頭の中なんて
あなたの好きって言葉ひとつで綺麗になっちゃうのにな

会えなくても長くて深い時間を
あなたと過ごしているつもりなのに
遠くて近い近くて遠いこの距離を
歯がゆいけれど落ち着くこの距離を
縮めたいのか維持したいのかさえ
わからなくなってしまっているよ

あと何回話したら好きって言ってくれるかな
あと何回会ったら付き合ってくれるのかな

おしゃれな服買ったり
髪を上手に整えたり
化粧ももうちょっとがんばったら
可愛いとか綺麗とか
もっと言ってくれるかな

失敗して泣いたら全部話しを聞いてくれて
悪いことしようとしたら本当には怒らないけど怒ってくれた

そういうのもういいよ

もっと冷たくしてくれればよかった
嫌いだって言ってくれれば
もう会わないって言ってくれれば
もっとはやく傷つかないうちに
諦めることができたかもしれないのに
こんなに悩まなくても済んだかもしれないのに
今こうして生きていられなかったとしても
それでも仕方ないって思えたかもしれないのに
名前だって顔だって1ヶ月に1回くらい思い出すくらいで
時々泣くくらいで過ごせたかもしれないのに

そんなことを考えた日もあった

でもきっとその頃になんて戻りたくないんだ
あなたのいない明日を想像した夜なんて
本気の涙とか可愛くない鳴き声とかくしゃくしゃになった表情とか
わたしの顔が不細工になりすぎてありえないから

そんなわたしも愛して欲しいって思ってしまう健気な自分を
今度はちょっとだけ笑いながらあなたの顔を声を思い出す自分を
ずっと嫌いだった自分を今は大事にすることが出来る
ずっと嫌いで居続けた自分を今は恥じることが出来る
posted by nobu at 23:57|