2017年05月31日

■Like Cinderella at the stroke of midnight.

君だけは変わらないね
君だけは変わらずにいてね
そう言っていた君の愛しい人

いっそ
この身に残った純情は
綺麗な箱につめて
可愛いリボンを付けて
恋の味も涙も忘れた
哀れなあなたへあげるよと
そんな心にもない言葉と
少なくない未練を胸に込め
気持ちを吹っ切るための
精一杯の嫌われる勇気を
声色と表情を変えながら
その子はぼくへ
何度も何度も練習を繰り返した

でもきっと
愛しい人の声を聞いたらそんなこと
愛しい人の顔を見たらそんなこと
その子は言えないだろう

きっと口にはできない
無意味な台詞の練習を繰り返しては
乾いた口を不味いお酒で湿らせている

恋しい人の名前をつぶやく度に
表情を緩め瞳を濡らしながら


好きが好きのままでいられるうちはきっと
そんな高ぶっては沈む気持ちから逃げ切れない気がして
今日もその子は慣れないお酒を浴びている

その子の意識が夢へ消えた後
酔ったふりをやめたぼくは
抱きしめたくなるその背中を隠すように
毛布をかけて部屋を出た


いつも何でもないふりをして
その気のないふりをして
それを信じてしまうその子と
それに安堵し悲しむ自分に
もやもやはいつまでも晴れないけれど
晴れた日の星はいつまでも綺麗だった

子供の頃
もっとはやく走れたなら
もっとたくさん走ったなら
形が見えるくらい星に近づけるんじゃないかって
真夜中にひたすら走っていたのを思い出す

100年走り続けてもたどり着けない事実を知って
子供から大人へ変わり
失望から絶望へ変わり
決して近づけない物理的距離が
その子とぼくの間にはあるんだと知った


いつかその子以外を好きになれたなら
その子以外を好きになることを
一途で頑固な自分自身が許したならば・・

そんな悲壮感で大人ぶって
恥ずかしげもなくあふれ出そうな
恥ずかしい言葉の端から端まで全部を
泣いている子へ聞かせたならば
何それと笑わせられるくらいには
役に立つだろうか

ひとしきり苦笑した後

君をちゃんと諦める未来を夢見て
まだ遠い始発を待ちながら
誰もいない駅でひとり
拙い希望とさよならの言葉を
ため息に近い声で口にて
また明日ねと
薄く薄く
本音の感情を重ねた
posted by nobu at 02:37|

2017年05月29日

■No matter what happens, I'll stand by you.

大切だった
大事だった
嬉しかった
楽しかった

全て何もかも過去のことで
そんなこと何も気付かず知らないでいた自分と
好きでい続ける努力を放棄したあなたとでは
きっと同じ時間の流れを共有はしていなくて
一日か二日かそれ以上か
今日の出来事を語るには
何だか間が空いていて
空模様も違っていて
わたしの起きた朝が夜だったのか
あなたの寝る夜が朝だったのか
もうどっちが正しいのかさえ
よくわからなくなっていたよ

何度めかを迎えた
わたしじゃない人の話を
わたしじゃない大切な人の話を
たぶんわたし以外に向けてしているその話に
次こそは気付けるだろうか

傷つかずいられるだろうか
何でもないふりをして話を聞いて
真剣な顔をして聞いたり
同じタイミングで笑ったり
笑顔で電話を切ったりとか

切った後に悲しい顔をして
逃げるようにベッドに横になっては
起きた時に目が腫れている朝を迎える
そんな自分の想像だったら
難なくできるのに


一日の三分の一くらいは
引きつってても作り笑いと
楽しいふりや幸せのふりをして
悲しみがこぼれてしまわないように
こぼれおちてしまう前に
涙の線を指で拭ってかき消して
悲しみの証拠を全部かき消した

無意識に遠回りをした帰路と
無意識にゆっくりになった足取りは
もうがんばらなくていいよと
自分自身を慰めているような気がした

人に語ることも
自分で思うことも
心に秘めることさえ
ためらわれるような
汚い言葉や暴言がきっと
頭を回っては消えている

わたしの一方的な
大切な人へ向かって
何度も何度も繰り返すそれに
脳を切り離したくなるほどに
自分自身を軽蔑しながら
posted by nobu at 02:38|

2017年05月26日

■Probably, I can do it by myself.

今日も上手く言えなかった返しと
釣られることも誘うこともできない
今日も一人きりの帰り道は
コンビニが潰れては建ち
人の数も空気の色も
少しずつ変わっていった
変わっていない自分に対して
警告や罰を与えているような
軽くない被害妄想に
確実に増えていく傷が
将来への漠然とした不安に
漠然じゃない意味を持たせた

そろそろ痛みにたえるのも飽きたから
慣れた頷きの数を減らして
慣れないツッコミをやっては
場を変な空気にすることで
荒療治のような自分改革をしては
留まる場所を移していった

笑いの神も数打てば降りてくるようになった時から
なんとなく世慣れして
世間を賢く狡く生きている
昔は嫌いだった人種へ
近づいて楽しくしている自分が
一方で苦しかった

人のいわゆる悲しみとか痛みとか
そういうのから少しずつ遠のいていって
それが楽で心地よいってことが
腑に落ちることが腑に落ちない

きっともうこれから
そういう忘れちゃいけないものを
たくさん忘れていっては
面白おかしく生きている苦悩を
5年後の自分はおぼえてさえいないのだろう

残すと決めたこのノートは
置いた場所さえ忘れるだろうか
黒歴史だとためらいなく捨てるだろうか

あと2,3年後くらいにはきっと
忘れることへの不安と
思い出すことへの不安で
どちらも選ばないって答えを
出すんじゃないかと思っている

二人できた大切な人の
どちらも選ばない結果を出すような
想像だけど結構苦しいだろうことを

だから今はせめて
どっちの携帯電話を買おうかってくらいの
楽しくも悩ましい選択で
どっちを選んでも後で少し後悔するような
ものずごく贅沢で
ものすごくくだらない苦しみを
あと一ヶ月くらいは
前のように一人きりの帰り道で
一人だけで悩み苦しんでおきたい
posted by nobu at 00:08|

2017年05月23日

■Visible and invisible stars.

自分で作った成果も
人からの好意も
全部白けて見える世の中だって
堂々と胸をはって生きている

今はただ
人の笑顔や幸せも
心に留められず生きてるってだけだ

きっと幸せも楽しさも
人と違う色で見えて感じて
ぼくの白は君の黒で
君の青はぼくの赤で

それでもいつか
星が黄色く輝いて
同じに見えるように
うまくまとめられない
これからの命の意味を
義理とか義務とかじゃない言葉で
君や誰かと語っていたい
posted by nobu at 03:46|

2017年05月17日

■What's the passing score for the test ?

行き詰まる度に届けられる言葉は
涙や後悔や反省をにおわせながらも
間違ってないよねっていう
強制同意と見下しが含まれていた

返す言葉の一つ一つには
政治家の失言をつつく記者のような
冷静で冷たい反応があった

恋愛なんて
言って欲しい台詞と
嫌われる台詞の選定で
まるで単語や文法の試験にそっくりだ

何点取れば付き合える?
何点取れたら体を重ねて
何点以上で結婚できて
何点以下で別れるの?

人生の中で一番大切な試験
人生で一番くだらない試験


たぶん5回目
君はたぶん3回目

どこまで行ったらお互い
楽になれるんだろう?

次こそはと10回目をこえた
君はたぶん数えていない

合格したら幸せなのかさえ
考えたり迷ったり悩んだり
そんなことも気にしなくなった

明日は晴れるかどうか
いつもの席が空いているか
あの野良猫と会えるかなんて
そんなことを考えた方がよほど
生きていることが実感できているくらいに

ただただ
点数を取ることだけが目的で
そろそろ
恋愛が作業になってきた頃に
いよいよ
何回目か数えることを止めた
posted by nobu at 23:04|